同じストッキングで同じグラウンドへ 慶應義塾と合同練習、青鳥特別支援学校は春の初勝利に挑む

合同練習を終え、笑顔で肩を組む両校の主将。左が青鳥特別支援学校ベースボール部の式守主将、右が慶應義塾高校の徳留海主将(撮影:越智貴雄)
慶應義塾高校野球部グラウンド(横浜市港北区・日吉)で24日、青鳥特別支援学校、私立慶應義塾高校、甲子園夢プロジェクト(知的障害のある生徒らが野球を通じて挑戦する取り組み)による三者合同の練習会が行われた。
慶應義塾高校は、2023年夏の甲子園で優勝した強豪校。青鳥特別支援学校ベースボール部の選手たちは、そのグラウンドで慶應義塾高校の選手や甲子園夢プロジェクトの参加者とともに、打撃や守備の練習、交流試合を行った。

青鳥特別支援学校と慶應義塾高校の選手が普段から着用している同じデザインのストッキング(撮影:越智貴雄)
グラウンドに立った青鳥の選手たちが履くストッキングは、2023年に慶應義塾高校から贈られた、同校と同じデザインのものだ。
両校の関係は、現在青鳥特別支援学校ベースボール部を率いる久保田浩司監督が立ち上げた甲子園夢プロジェクトをきっかけに始まり、監督が現在は同プロジェクトに直接関わらない中でも、合同練習を重ねるなど交流が続いてきた。同じストッキングで同じフィールドに立つ姿は、両校の交流が積み重ねられてきた結果でもある。
この日の練習では、慶應義塾高校の選手たちから直接助言を受けたり、和やかに言葉を交わす場面も見られた。

慶應義塾高校の選手(左)から助言を受けながら打撃練習に取り組む青鳥特別支援学校の選手(撮影:越智貴雄)
青鳥特別支援学校は、知的障害のある生徒らが通う都立の学校で、ベースボール部は2023年に東京都高野連に加盟。
2024年夏の全国高校野球選手権西東京大会には、特別支援学校で初めて単独チームとして出場した。結果は、0―66で初戦敗退となったが、2025年春季東京都大会1次予選では公式戦初得点の1点を刻んだ。続く2025年夏の西東京大会では、部員も増え1年生の活躍も目立ち、点差も1―22と縮まるなど、試合内容には確かな変化が見え始めている。
その姿を応援する人も増えてきた。大会ではスタンドに青鳥の成長を見守る観客が集まり、得点や好プレーの場面では大きな拍手と歓声が起こる。

慶應義塾高校の選手(左)から助言を受けながら打撃練習に取り組む青鳥特別支援学校の選手(撮影:越智貴雄)
練習後、青鳥特別支援学校ベースボール部の2年生、式守優太主将は「マンツーマンでたくさんアドバイスをもらいました。もっと成長できると感じました。(ストッキングについて)試合では一緒に闘っているようなパワーをもらえます。春の大会で1勝できるよう、今日教わったことを学校の練習で生かしたいです」と話した。
一方、慶應義塾高校の2年生、徳留海主将は「青鳥の選手たちは、一人一人が野球を心から楽しんでいるのが印象的でした。野球の本質を改めて感じましたし、自分たちも学ぶことが多かった」と語った。
全国制覇の実績を持つ慶應義塾高校のグラウンドで重ねた経験を、青鳥特別支援学校ベースボール部は、春の大会での初勝利につなげようとしている。
(取材・文:越智貴雄)





