カンパラプレス

ニュース

ニュース

東京デフリンピックの熱気再び デフリンピアンが渋谷で語った舞台裏

イベントの締めくくりに、登壇したデフリンピアンがステージに集まり記念撮影に応じた(撮影:越智貴雄)

日本財団ボランティアセンター主催のセミナー「教えて!いちろう先生 特別版『デフリンピアンと話そう!手話スポーツバー』」が15日、東京都内の会場とオンラインのハイブリッド形式で行われた。「教えて!いちろう先生」シリーズの特別版として実施され、複数競技のデフリンピアン9人が集う回となった。

昨年11月に東京で開催され、大きな盛り上がりを見せた聴覚障害者スポーツの祭典「東京デフリンピック」をきっかけに、デフスポーツへの関心が高まる中で企画された今回のイベントは、開催前から注目を集めた。会場での対面参加は定員を上回る申し込みがあり抽選となったほか、オンライン参加も含め全国から応募が寄せられ、申し込みは460人を超えた。

進行役を務めたのは、亜細亜大学特任准教授で、長年ろう者やデフスポーツに関わってきた橋本一郎氏と、元ろう野球選手の遠藤一洋氏。二人の進行のもと、会場とオンラインをつなぎながら、選手と参加者が近い距離で交流できる場がつくられた。

イベントでは、デフリンピアンの紹介に続き、東ティモールとオンラインで中継をつなぎ、同国籍のバドミントン選手3人と日本の選手が交流。国や文化を越えて広がるデフスポーツの魅力が共有された。

海外選手との交流の様子を写した写真をスクリーンに映しながら、その魅力を語る山田選手(撮影:越智貴雄)

続くトークセッションでは、選手らが東京デフリンピックの舞台裏について語り、試合中のコミュニケーションや国際大会ならではの経験を紹介した。東京デフリンピックで陸上2種目の金メダルを獲得した山田真樹選手は、海外選手との交流について「次にいつ会えるかわからないからこそ、その時間を大切にした」と振り返った。大会期間中、気づけば朝方まで他国の選手と語り合ったエピソードにも触れ、「デフリンピックは競技の場であると同時に、人と人がつながる場でもある」と述べ、手話や文化の違いに触れた交流の大切さを強調した。

その後は選手にまつわるクイズ企画なども行われ、会場とオンラインの参加者が一体となって盛り上がりを見せた。イベント後の交流の時間には、選手と参加者が手話で直接言葉を交わし、記念写真を撮る姿も見られた。

参加者からは「競技の裏側の話を直接聞くことができて楽しかった」「デフリンピックの熱をもう一度感じられた」といった声が聞かれた。

進行役を務めた橋本一郎氏(左)と遠藤一洋氏。軽快なやり取りで会場とオンラインの参加者をつなぎ、イベントを大いに盛り上げた(撮影:越智貴雄)

イベントを終え、橋本氏は「アスリートたちが、ここでしか話せない経験や思いを伝えてくれたことで、競技だけでなく、デフスポーツ、ろう者の魅力がより伝わる場になったと思います」と手応えを語った。

競技の舞台裏や選手の言葉を通じて、デフスポーツの魅力がより深く伝わる機会となった。

取材・文:越智貴雄

page top