大会新で堂々の金!山口尚秀が激闘を制す【パラ水泳世界選手権】

金メダルを獲得し、拳を突き上げて喜ぶ山口尚秀(撮影:越智貴雄)
シンガポールで開催中のパラ水泳の世界選手権(大会3日目)は23日夜、男子100メートル平泳ぎ(SB14=知的障害)の決勝が行われ、世界記録保持者の山口尚秀(四国ガス)が1分03秒36の大会新記録をマークし、金メダルを獲得した。
山口はこの種目で、東京パラリンピック金、パリパラリンピック銅と実績を重ねてきた。世界選手権でも連覇中の得意種目で、今回も実力を発揮した。
以下、試合後のインタビュー。
――金メダルおめでとうございます。今のお気持ちは?
世界選手権で2年ぶりの金メダルだったので、すごく嬉しいです。これが(昨年の)パリパラリンピックでも出せていたらという思いはありますが、この大会で金メダルを獲得したことで、ジャパンチームに貢献できたらいいかなと思います。

入場時、自動車の運転パフォーマンスで会場を沸かせる山口尚秀(撮影:越智貴雄)
――入場時にリラックスした様子でパフォーマンスをされていましたが?
(大会の冠スポンサーがTOYOTAだったこともあり)自動車の運転のパフォーマンスです。普段から車も運転しています。
――タッチした瞬間、勝利を確信しましたか?
正直、ちょっと微妙だなと思いました。隣にいたオーストラリアのミシェル・ジェイク選手の泳ぎが横からでもダイナミックで、どうなるかなと思ったんですが、ギリギリで1位だったので良かったと思います。
――レース中の気持ちやプレッシャーは?
大きな大会で金メダルを取るぞっていう気持ちになったのが随分久々だったので、「金メダルを獲得しなきゃいけない」というプレッシャーがありました。それは、ちょっと改善していって、大きな大会本番にも気持ちを強くしていけたらいいかなと思います。

男子100メートル平泳ぎ決勝、渾身の泳ぎを見せる山口尚秀(撮影:越智貴雄)
――今回のレースで特に意識したことは?
スタートとターンを意識しました。力強く素早く動作ができたかなと思います。
――レース全体を通して、課題はありましたか?
自己ベストより1秒ほど遅れていたので、そこは課題です。来年のアジアパラもありますし、まだ個人メドレーとバタフライが残っているので、頑張りたいと思います。
――これまでの東京パラ(金)、パリパラ(銅)と比べて、今日の金メダルはどんな意味を持ちますか?
世界選手権はこれで(2019年のロンドン大会から)4連覇です。ちょうど東京で世界陸上があって、アメリカのノア・ライルズ選手が(2019年のドーハ大会から)200メートル走で4連覇していたので、自分も同じように頑張ろうという強い気持ちで臨みました。

金メダルを手に笑顔を見せる山口尚秀(提供写真:日本知的障害者水泳連盟)
――今年すでに2回、世界記録を更新していますが、今後どのぐらいまでタイムを伸ばしたいと考えていますか?
やっぱり1分0秒台を出したいです。疲労を取りながら、コンディションを整えていきたいと思います。
――最後に、応援してくれたファンにメッセージを。
応援ありがとうございました。これからも自分らしい泳ぎを見せられるように頑張りますので、引き続き応援よろしくお願いします。
(取材・文:越智貴雄)