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日本女子バレー、前回王者を撃破し金!笑顔と涙の綾也華主将「聞こえなくてもできるんだ」伝えたかった【東京デフリンピック】

金メダルを手に笑顔の梅本綾也華主将(撮影:越智貴雄)

東京で開催されている聴覚障害者スポーツの祭典「東京デフリンピック」は25日、駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で女子バレーボールの決勝が行われ、日本代表が前回大会の優勝国トルコを3―0(25-8、25-21、25-20)で破り、金メダルを獲得した。日本のデフ女子バレーが金メダルに輝くのは2017年サムスン大会以来8年ぶりとなる。

試合終了後、主将・梅本綾也華は涙をこぼし、そしてすぐに仲間へ向けて笑顔を見せた。8年ぶりの金メダルと、前回大会で味わった悔しさ。そのすべてが、その二つの表情にあらわれていた。

表彰式で涙を流す梅本綾也華主将(撮影:越智貴雄)

前回大会、ブラジルのでデフリンピックでは、選手団の新型コロナウイルス陽性者の発生により棄権を余儀なくされた日本代表。戦うことすらできずに終わったあの経験が、梅本の胸にずっと残り続けていた。

試合後、綾也華主将は「前回大会、棄権とい悔しい結果で終わってしまって、その悔しさを東京デフリンピックで、一生懸命頑張って、絶対に金メダルを取るんだという強い思いでやってきました。今まで色々ありましたが、それを乗り越えられ、自分を信じられたし、頑張ってきて良かったという思いで、涙が出ました。」

チーム一丸で掴んだ金メダル。中央が梅本綾也華選手(撮影:越智貴雄)

さらに、競技を通じて伝えたいこととして、「聞こえない人はスポーツができないと思われがちですが、デフリンピックで金メダルを取ったことで、“聞こえなくてもできるんだ”ということを多くの人に伝えたいです。」と話した。

しっかり前を見て言い切ったその言葉こそ、主将として歩んできた道のりを象徴していた。

(取材・文:越智貴雄)

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