パラ水泳日本代表、シンガポールでの世界選手権へ向け公開合宿 世界ランク1位の川渕大耀「パリでの悔しさを晴らしにいきたい」

力強い泳ぎを披露する川渕大耀選手(撮影:越智貴雄)
9月にシンガポールで開催されるパラ水泳の世界選手権に出場する日本代表が18日、ナショナルトレーニングセンター・イースト(東京)で公開練習を行った。
今回の合宿は日本パラ水泳連盟の主催で、身体障害のある選手が参加。8月16日から19日までの4日間にわたり実施され、ベテランから若手まで幅広い選手が顔をそろえた。また、この合宿は世界選手権に向けた準備だけでなく、来年開催されるアジアパラ競技大会に向けた強化も兼ねており、強化B指定選手や特別強化選手も加わり、チーム一丸となって調整に励んだ。

力強いストロークを刻む鈴木孝幸(撮影:越智貴雄)
世界選手権の出場選手には、東京・パリ金メダリストの鈴木孝幸選手(GOLDWIN)、リオ・東京両大会で活躍した、木村敬一選手(東京ガス)、富田宇宙選手(EY Japan)らが名を連ねる。さらに、若手からは田中映伍選手(東洋大学)、川渕大耀選手(NECGSC溝の口)、前田恵麻選手(福井工大)などフレッシュな顔ぶれも選出されている。
鈴木は練習後に「50メートル平泳ぎと50メートル自由形は、確実にメダルをとりにいきたいです。平泳ぎに関しては目標の48秒台が出れば金メダルは近いと思いますが相手次第なので、より良い色のメダルが取れればいいかなと思います」と意気込みを語った。

合宿で充実した表情を見せる川渕大耀選手(中央)(撮影:越智貴雄)
また、世界選手権へ初の代表入りをした川渕大耀選手(NECGSC溝の口)は16歳。男子400m自由形(S9クラス)で現在世界ランキング1位に立つ注目の若手だ。「昨年のパリパラリンピックでは7位だったんですけど、優勝したフランスの選手が一番輝いて見えて、すごく悔しかったんです。シンガポールでは、その悔しさを晴らしたいという思いが強いです。今はパリ大会時より6秒タイムを縮め、肩を並べられるタイムを持っているので、金メダルを取って日本に帰って来れるように頑張ります」と話した。
公開練習では、順次練習を終えた選手が報道陣の取材に応じ、仕上がり具合や課題を口にした。残り1か月でどこまで調整を高められるかが、メダル獲得のカギとなる。
2025WPS世界パラ水泳選手権日本代表選手一覧
【身体障害(日本パラ水泳連盟選出の男女15名)】
木村 敬一(東京ガス)
鈴木 孝幸(GOLDWIN)
窪田 幸太(NTT ファイナンス)
辻内 彩野(三菱商事)
石浦 智美(伊藤忠丸紅鉄鋼)
西田 杏(シロ)
田中 映伍(東洋大学)
川渕 大耀(NECGSC 溝の口)
富田 宇宙(EY Japan)
由井 真緒里(ZENKO)
荻原 虎太郎(あいおいニッセイ同和損保)
齋藤 元希(スタイル・エッジ)
日向 楓(中央大学)
福田 果音(KSG)
前田 恵麻(福井工大)
【知的障害(日本知的障害者水泳連盟選出の男女6名)】
籠瀬 嶺(ほけんの窓口)
佐藤 悠人(個人・仙台市)
松田 天空(NECGFS)
村上 舜也(NECGFS)
山口 尚秀(四国ガス)
芹澤 美希香(宮前ドルフィン)
取材・文:越智貴雄