ニューデリーで世界パラ陸上開幕 唐澤剣也が5000m金【パラ陸上世界選手権】

男子5000メートル(T11)で金メダルを獲得し、ガイドランナーとともに日の丸を掲げて笑顔を見せる唐澤剣也(中央)(写真は日本パラ陸連提供)
パラ陸上の世界選手権「ニューデリー2025」が27日、インド・ニューデリーのジャワハルラール・ネルースタジアムで開幕した。大会初日の午前に行われた男子5000メートル(T11=視覚障害)で唐澤剣也(SUBARU)が金メダルを獲得し、日本勢に今大会初のメダルをもたらした。
唐澤は15分23秒38でフィニッシュ。レース後、「ガイドの二人が素晴らしいレースをしてくれました。暑い環境なのでスローペースを想定してレースに入り、想定通りで前半2、3番手の良い位置で力を使わず走ることができ、8周終わる前に先頭に出ました。日本でもあえて暑い時間を選んで練習してきました。次の1500メートルに向けても準備して臨みたい」と語った。

男子走り高跳び(T63)に出場し、力強い跳躍を見せるエズラ・フレック(撮影:越智貴雄)
大会初日の現地時間夜、大会注目種目の一つである男子走り高跳び(T63=大腿切断など)が行われた。パリ・パラリンピックで走り高跳びと100メートルの2種目で金メダルを獲得し、若くして世界王者に君臨するエズラ・フレック(米国)が登場したが、記録は自身の持つ世界記録1メートル97センチには届かず、1メートル85センチにとどまり2位に終わった。

男子走り高跳び(T63)で1メートル91を跳び優勝を決め、雄叫びを上げる地元インドのシャラド・クマール(撮影:越智貴雄)
歓喜の金メダルをつかんだのは地元インドのシャラド・クマール。1メートル91センチをクリアし、パリ大会での2位から雪辱を果たした。母国開催での快挙に観客は総立ちとなり、スタジアムは地鳴りのような歓声に包まれた。インド陸上界にとって歴史的な勝利となった。
インドは過去最多となる73選手を派遣。2012年ロンドン大会で銀1個にとどまったが、パリ大会では金4を含む18個のメダルを獲得するまでに躍進している。
また、中国やブラジル、オーストラリア、ドイツなどの強豪国も有力選手を送り込んでいる。男子100メートル(T47)のペトルシオ・フェレイラ(ブラジル)、女子400メートル(T20)のディープティ・ジーヴァンジ(インド)、男子走り幅跳び(T64)では8連覇を狙うマルクス・レーム(ドイツ)ら、スター選手が続々と登場予定だ。
大会はパラリンピック公式YouTubeで配信され、現地インドでは国営放送ドゥールダルシャンが放送する。
(取材・文:越智貴雄)