速報 大会最終日、佐藤友祈が1500mで大会新V 金2・銀1の好成績【パラ陸上世界選手権】

男子1500メートル(T52)決勝で力強くフィニッシュする佐藤友祈(写真提供:日本パラ陸上競技連盟)
ニューデリーで開催されているパラ陸上の世界選手権(大会最終日)は5日午前、男子1500メートル(T52=車いす)決勝が行われ、佐藤友祈(モリサワ)が3分30秒19の大会新記録で金メダルを獲得した。2位には上与那原寛和(SMBC日興証券)が3分57秒75で入り、400メートルに続き銀メダルを手にした。
佐藤は今大会、ロサンゼルス・パラリンピック正式種目の400メートルで金、100メートルで銀を獲得。東京パラリンピックで金メダルを獲得した得意の1500メートルでも大会新で制し、金2個・銀1個の好成績を収めた。

男子1500メートル(T52)で金メダルを獲得した佐藤友祈(中央)と、銀メダルの上与那原寛和(左)、銅メダルのレオナルド・ペレス(右)(写真提供:日本パラ陸上競技連盟)
今大会では、佐藤のライバルであり、T52クラスの100メートル、400メートル、1500メートルの世界記録保持者であるマキシム・カラバン(ベルギー)が、大会前の国際クラス分けによりにT53クラスへ移行。T52クラスは体幹の筋力がほとんどなく座位の安定が難しい選手、T53クラスは上肢の機能が高い一方で腹筋など体幹の動きに制限がある選手が主に出場する。
今回のクラス分けではカラバンに「R(Review=再評価対象)」の扱いがつき、今大会はT53クラス(1500メートルはT53とT54が統合のためT54クラス)に出場した。このため注目された直接対決は実現しなかったが、佐藤は自身の記録向上に焦点を当て、安定した走りで大会を締めくくった。

今大会では100メートル、400メートル、1500メートルに出場し、金2個・銀1個のメダルを獲得した佐藤友祈(撮影:越智貴雄)
4日夜の100メートル決勝後には、自身のSNSで「まけっ!!!!銀メダルでした!出直します! ただ100メートルでの銀メダルは、世界パラ陸上とパラリンピックを通じて初めてなので祝ってください。確実にギア加速できている。もちろん叱咤激励も歓迎」と投稿。100メートルで銀メダルを獲得し、結果を受け止めながらも、さらなる進化を感じさせる大会となった。
1500メートルのレース後には「(1500メートルは)大会記録を塗り替えることができたので良かったと思います。400メートルは記録更新ならなかったのは残念でしたが、まずは勝ってメダルを取るという目標は達成できました。次は来年のアジアパラ大会、そして次の世界パラで、より良い記録でメダルを取れるように頑張ります」と前を向いた。
(取材・文:越智貴雄/情報提供:日本パラ陸上競技連盟)