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幅跳びの山本、悔しい銀メダル リオパラリンピック

4本目の跳躍で6m62を跳んだ山本(撮影:越智貴雄)

4本目の跳躍で6m62を跳んだ山本(撮影:越智貴雄)

 リオパラリンピックの大会11日目にあたる17日、オリンピックスタジアムで陸上男子走り幅跳び(T42クラス)決勝が行われ、日本記録保持者の山本篤(スズキ浜松A.C)は、6m62で、2008年北京大会以来となる銀メダルを獲得した。

 昨年のパラ陸上世界選手権で優勝し、今年の日本選手権ではそれまでの自己ベストを20センチ上回る6m56をマークして世界新記録(当時)を樹立。2つの「世界一」を実現させた山本にとって、残る「世界一」は「パラリンピックでの金メダル」だった。

 そして、リオでの金メダル獲得は4年前の雪辱でもあった。2012年ロンドンパラリンピック、世界ランキング1位だった山本は金メダルの最有力候補として期待が寄せられていた。山本自身にも自信はあった。しかし、実は同じくらいに不安もあった。海外のトップジャンパーたちには一度も勝っていなかったからだった。自信と不安とが入り混じった中で臨んだロンドンパラリンピックは自己ベスト6m24からは程遠い5m95にとどまり、5位に終わった。

 しかし、今大会は違った。「世界選手権優勝」「世界新記録」と2つの「世界一」を経験し、確かな自信を持っていた。記録は、すぐにライバルたちに塗り替えられたが、それは想定内であり、逆に言えばライバルたちに刺激を受け、モチベーションは上がっていたに違いない。

 銀メダルを獲得した2008年北京パラリンピックから8年、「今度こそ」という気持ちは強かっただろう。しかし、わずか8センチ届かなかった。悔しい銀メダルは、次へのモチベーションとなるはずだ。

(文・斎藤寿子)

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