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五輪の勢い受け継ぎ、平昌パラへ 結団式・壮行会

壮行会で笑顔の日本選手団(撮影:越智貴雄)

 26日、平昌2018パラリンピック冬季競技大会日本代表選手団の結団式・壮行会が都内で行われた。3月9日に開幕し、18日までの10日間にわたって、オリンピックと同じ会場で開催されるパラリンピック。冬季では1998年長野大会以来、20年ぶりにアジアで開催される今大会、日本からは5競技に38人が「世界最高峰の舞台」に挑む。

「クリーンでフェア」がスポーツの価値

 開幕まで2週間を切った平昌パラリンピックに出場する日本選手団が一堂に会した結団式には、秋篠宮ご夫妻をはじめ、森喜朗東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長、林芳正文部科学大臣、鈴木大地スポーツ庁長官などが出席した。

 結団式冒頭では、団旗が鳥原光憲日本パラリンピック委員会会長から大日方邦子日本代表選手団団長へ、そして旗手の村岡桃佳選手(アルペンスキー)へと授与されると、会場からは大きな拍手が送られた。

 現役時代、アルペンスキーヤーとしてパラリンピックに5度出場し、合計10個(金2個、銀3個、銅5個)のメダルを獲得した大日方団長は、今大会の選手団団長に任命されたことについて「身の引き締まる思い」と述べ、日本選手団が目標とする「前回のソチ大会を超えるメダル獲得」について、「決して容易なことではないが、選手および役員が一丸となり、全員が持てる力を発揮すれば、きっとかなえられる」と期待を寄せた。

さらに選手には「クリーンでフェアなアスリートとして競技に臨んでほしい。その姿がスポーツの価値を守り、高めていく」と語った大日方団長。その後の会見で記者からその言葉の真意を問われると、国内外で続く「ドーピング問題」を念頭にしたものであることを明かしたうえで、「“うっかりドーピング”がないよう、選手への指導もしっかりと行ってきたので、日本はクリーンな選手団であることは自信を持って言える」と語った。

 今回4度目の出場となる選手団主将の須藤悟(パラアイスホッケー)は、「2020年に向けて障がい者スポーツの関心が高まり、冬季競技への期待も日ごとに大きくなっている。と同時に、日の丸を背負う自分たちの責任も重くなっていることを感じている。史上最多となる13個のメダルを獲得したオリンピックの勢いを受け継ぎ、パラリンピックも素晴らしい大会にしたい」と決意を表明した。

 一方、2度目の出場となる旗手の村岡は、開会式で選手団の先頭に立って歩くことについて「体は小さいが、堂々とした姿勢で、日本の強さ、誇りを表したい」と述べた。

大会後半は気温上昇の可能性も

 前回のソチ大会での20人から、およそ2倍となる38人の選手が出場する今大会。目標は、ソチ大会での6個を超えるメダル獲得だ。

 日本人第一号のメダリストとなることが期待されているのが、アルペンスキーの狩野亮だ。高速系種目を得意としており、競技初日の滑降は、2010年バンクバー大会で銅メダル、2014年ソチ大会では金メダルと、2大会連続でメダルに輝いている。「レース一つ一つが勝負。平昌でどう戦うかしか考えていない」といたって冷静な狩野。「どういう状態で金メダルをとったかはわかっているので、まずはその状態に持っていくことが重要」と、連覇への自信をのぞかせていた。

 また、今回で5大会連続出場となり、2冠に輝いたバンクーバー以来のメダルを目指すクロスカントリースキーの新田佳浩は、現地での天候にも細心の注意を払っていることを明かした。
「予報によると、大会前半は例年通りだが、僕が出場する後半には徐々に気温が上がっていくようなので、そこに合わせてのストラクチャーやスキー板の選定の準備もしている。あとは当日、気温の上昇によってコース状況がどう変わるかをしっかりとチェックしたい」

 今大会は、6競技80種目が行われ、冬季史上最多となる約50カ国・地域から最大670人の選手が出場する予定だ。日本からは38人の選手のほか、チームスタッフなど総勢86人の選手団が派遣される。

 果たして、平昌の地で日本人選手はどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。いよいよ「4年に一度の戦い」の幕が上がる――。

(文・斎藤寿子)

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