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世界のトップ選手が東京に初集結!28日9時5分号砲 東京マラソン2016

車いすマラソン招待選手によるフォトセッション。左から副島、バンダイク、フェンリー、洞ノ上、マクファーデン、土田(撮影:越智貴雄)

車いすマラソン招待選手によるフォトセッション。左から副島、バンダイク、フェンリー、洞ノ上、マクファーデン、土田(撮影:越智貴雄)

 2月28日(日)に開催される「東京マラソン2016」のプレスカンファレンスが26日、東京都内で開催され、国内外の招待選手が会見した。今年10年目の節目を迎える東京マラソンで、大きな変化のひとつが、車いすレースの国際化だ。国際パラリンピック委員会(IPC)の公認大会として開催され、日本人選手にとってはリオデジャネイロ・パラリンピックのマラソン代表選手選考会でもある。史上初めて「海外招待選手」として招待された世界トップクラスの男子3名、女子2名が東京の街を駆け抜ける。

 今大会の出場選手でもあり、車いすレースディレクターの副島正純は、「世界トップのすばらしい選手を招待できた。国内選手にとってもリオ選考大会であり、刺激的なレースになるだろう」と展望した。

 男子招待選手の一人、南アフリカのエルンスト・バンダイクはボストンマラソン10勝をはじめ、数々の栄冠を手にしている世界屈指の高速ランナーだ。「ワオ!という思い。車いすレースでこんな多くのメディアに囲まれた会見は初めて。ここ数カ月、しっかり距離を走りこんできた。いいレースを見せたい」と意気込んだ。

 アテネ、北京パラリンピックマラソンで2大会連続金メダリストであるオーストラリアのクート・フェンリーは、切れ味鋭いラストスパートにも定評がある。「体調は最高。パラリンピックイヤーの初戦として表彰台を狙いつつ、初の東京マラソンを楽しみたい」と抱負を口にした。

 女子はアメリカから2選手が招待され、一人は車いすマラソン4大大会制覇や夏冬パラリンピックのメダリスト、タチアナ・マクファーデン。「東京マラソンは以前から走りたいと思っていたし、日本は大好きなのでワクワクしている。3日分の練習を1日でやるくらいのハードな合宿をこなしてきた。タフなレースになると思うが、100%を出して頑張りたい」と力強く語った。

 大会”皆勤賞”にして昨年、念願の初優勝を飾った洞ノ上浩太(ヤフー)は2連覇へ向け、「勝負所は、誰もが思う坂道ではなく、比較的フラットな東京のコース中にある細かいアップダウンや折り返しなどを利用したい。経験を生かして、海外選手をあっと言わせるレースになれば」と、強豪ぞろいの海外勢対策を明かした。

トークセッション形式で行われた会見は、司会進行を務めた副島正純レースディレクター(右から3番目)が、各選手との軽妙のトークで場を盛り上げた(撮影:越智貴雄)

トークセッション形式で行われた会見は、司会進行を務めた副島正純レースディレクター(右から3番目)が、各選手との軽妙のトークで場を盛り上げた(撮影:越智貴雄)

リオ切符は誰の手に?

 海外選手との迫力ある勝負も楽しみだが、日本人選手にはリオ代表をめぐる熾烈な戦いも待ち受ける。日本パラ陸上競技連盟が設定した男子の選考条件は、今大会で外国選手を含む3位以内、かつ日本人1位で、1時間28分30秒以内。洞ノ上は、「スタミナアップと並び、スプリント力もポイントと思い、磨いてきた。体調もいいのでリオ切符をしっかり手にしたい」と意気込みを語った一方で、昨年の大会で2位、3位を占めた若手の台頭にも警戒する。「誰が勝ってもおかしくないレース。チャレンジ精神が一番怖い。自分もディフェンディング・チャンピオンではあるが、最強のチャレンジャーとして臨んでいる」と話した。

 昨年2位に入ったのが鈴木朋樹(関東パラ陸上競技協会)だ。昨年が初マラソンで、現時点ではトラック種目に主軸を置いており、リオのマラソン代表は、「狙ってはいない。でも、(今大会で)トップ選手たちにすきがあれば、勝ちたい」と静かな闘志を口にしていた。

記者会見でレース展開を語る土田和歌子(右)とタチアナ・マクファーデン(撮影:越智貴雄)

記者会見でレース展開を語る土田和歌子(右)とタチアナ・マクファーデン(撮影:越智貴雄)

 女子は大会8連覇中の土田和歌子(八千代工業)が自身5度目となる夏季パラリンピック出場を目指し、今大会で外国選手を含む3位以内、かつ日本人1位で、1時間46分00秒以内という選考条件に挑む。「スピード練習なども取り組んできた。”いつも通りの走り”をして、結果を出したい」とリオへの思いを話した。

 東京マラソン(車いすレース)は28日(日)午前9時5分に新宿区の東京都庁前からスタートする。

(文:星野恭子)

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