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リオ銅の日本、欧州勢退け3年ぶりの優勝 ウィルチェアーラグビー

相手ディフェンスに囲まれながらも突破しトライする池透暢(撮影:越智貴雄)

 5月24~27日の4日間にわたって千葉ポートアリーナで「ジャパンパラウィルチェアーラグビー競技大会」が行われた。今大会には、日本(世界ランキング4位)のほか、イギリス(同5位)、スウェーデン(同6位)、フランス(同7位)の欧州トップの3カ国が参加。27日(最終日)に行われた決勝では、日本がイギリスに53-46で快勝し、3年ぶりに優勝。3位決定戦ではフランスがスウェーデンを破った。決勝でもチーム最多得点をたたき出した池崎大輔がMVPに輝いた。

守備力が光った決勝戦

 3日間にわたって行われた予選リーグで、日本とイギリスは両者ともに5勝1敗とした。日本はキャプテンの池透暢が体調不良で欠場した予選第1戦こそイギリスに50-51で黒星を喫したものの、その池が復帰した第2戦は48-45で勝利を収め、五分に戻した。その結果、得失点差で上回った日本が予選トップ通過を果たし、“頂上決戦”でイギリスと三度目の対戦をすることとなった。

 その決勝戦、第1ピリオドの序盤から際立ったのは日本のディフェンスだった。フロントコートにボールを運ぼうとするイギリスに対し、日本はハーフライン付近で池がタックルしながらアヤズ・ブータの進行を防ぐと、ブータはすかさず前を行くエースのジム・ロバーツにパスを出した。だが、そのRobertsロバーツの前に陣取っていた池崎がパスをカット。このイギリスのターンオーバーで日本が連続得点を奪い、試合開始から2分も経たないうちに日本がリードを奪った。

 その後は得点の奪い合いが続いたが、、第1ピリオド残り1分となろうとするいうところで日本の執拗なディフェンスにイギリスはゴールラインを割ることができず、ショットクロックが40秒を経過する直前にタイムアウトを取って15秒のショットクロックを得る。ここでも日本のディフェンスに苦戦したイギリスは、15秒ギリギリでのトライをするも、これが一度は認められたものの、その後、レフリーが確認し、ノートライに。そして終了間際での日本の得点で第1ピリオドが終了。この時点で日本は12-9と3点のリードを奪った。

 さらにイギリスボールから始まった第2ピリオドでもイギリスは痛恨のターンオーバーで日本にボールを奪われ、失点。その後もミスが続いたイギリスに対し、日本は攻守にわたって落ち着いたプレーで確実に得点を奪っていった。

 第3、4ピリオドでは、得点源である池崎、池、島川慎一のハイポインター(*3)のみならず、相手の裏をついてフリーの状態となった乗松聖矢や羽賀理之などのローポインター(*1)にも得点シーンが生まれるなど、攻撃の幅の広さを見せた日本。地力の差を見せつけるかたちでイギリスに快勝し、3年ぶりの栄冠を手にした。

 今年8月には世界選手権をが控えている中、今大会はそれに向けての“準備”という意味合いが大きかったという。日本を率いるアメリカ人のケビン・オアーヘッドコーチ(HC)は、こう語る。

「今大会は、チームの戦略をより深めることが狙いだった。そのために、さまざまなライン(4人の組み合わせ)をテストした。その中で、決勝では最も強いラインでイギリスに勝てたということは大きい。ただ、もっと差を広げて勝つことができたはずだ」

2016年リオデジャネイロパラリンピックで銅メダルを獲得した日本。2年後の2020年東京パラリンピックでは金メダルを目指すべく、04年アテネで米国を銅メダルに、12年ロンドンではカナダを銀メダルに導いた指揮官のもと、さらなる成長へ、一歩一歩、突き進んでいる。

(文・斎藤寿子)

(*1)1チーム4名の選手で戦い、選手には 障害の重い0.5点から軽い3.5までの7段階に分けられた「持ち点」がある。ハイ・ポインターは2.0以上の選手、ロー・ポインターは1.5以下の選手。試合のコート上の4人の持ち点の合計は8点以内というルールがある。女子選手が出場する場合は1人につき0.5点がチーム合計の8点に追加される。障害の程度に関わらず出場機会が生まれる。

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