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義足ロングジャンパーのレームが驚異の8m47で世界新! ジャパンパラパラ陸上2018

世界記録が表示された掲示板を前に、喜びを爆発させたレーム(撮影:越智貴雄)

 8日、2018ジャパンパラ陸上競技大会(最終日)が正田醤油スタジアム群馬で行われ、ドイツのマルクス・レームが男子走り幅跳び(T64=下腿義足使用)に出場し、8m47の世界新記録で優勝した。

 競技後、レームは「ずっと世界記録更新を狙っていた。この日本の地で世界記録を出せてとても嬉しく思っている。来年の世界選手権、東京2020に向けてさらに努力を積み重ね、チャレンジしていきたい」と喜びを語った。

義足のロングジャンパー、レームが8m47の世界新(撮影:越智貴雄)

マルクス・レームとは?

 子どもの頃からスポーツ好きだったレームは2003年ウェイクボードの事故で右脚の膝から下を切断。事故から2年後には、義足をつけてウェイクボード競技に復帰するも、その後、陸上に転向し走り幅跳びを始めると、めきめき頭角をあらわしていった。2012年には初出場のロンドンパラリンピックで7m35を跳び、金メダルを獲得。

 2015年10月の世界パラ陸上ドーハ大会(カタール)では、8m40の記録で世界記録を樹立。この記録が、ロンドン五輪走り幅跳び金メダリスト(Greg Rutherford/英国)の記録を9cm上回っていたこともあり大きな話題となったが、同時に義足での踏み切りは有利ではないかという論議も起こった。

 2016年、リオデジャネイロパラリンピックでは、8m21の記録で大会連覇を果たす。先に開催された五輪の出場も目指していたが、国際陸連(IAAF)から五輪に出場するには、義足には有利性がないことを証明する事を求められ、専門家の協力も得て証明を試みるも、国際陸連からは「証明は不十分」と判断され、リオ五輪出場は叶わなかった。ただ、当時の国際陸連は、継続して義足の有利性を検証していく意向を示していた。

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