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“ブレードジャンパー”のマルクス・レームが、走り幅跳び5連覇。世界記録更新はならず パラ陸上世界選手権2019

5本目の試技で、8m17の記録を出したレーム(撮影:越智貴雄)

 アラブ首長国連邦のドバイで開催されている、パラ陸上の世界選手権。大会7日目の13日(現地時間)、男子走り幅跳び決勝(T64)が行われ、マルクス・レーム(ドイツ)が8m17で金メダルを獲得した。

 2018年にドイツのベルリンで開催された欧州選手権で8m48の世界新記録をマークし、さらなる記録更新の期待がかかっていた今大会。更新はならなかったものの、今回の優勝で世界選手権5連覇を果たした。

 競技後、レームは「ディフェンディングチャンピオンとしてタイトル獲得を意識して競技に臨んだ。今回の結果には非常に満足している」と、語った。

競技終了後、観客からの拍手に笑顔で応えるレーム(撮影:越智貴雄)

 2015年の世界選手権で、ロンドンオリンピックの優勝記録(8m31)を上回る8m40を記録した頃から、「オリンピックに参加したい」という意思を示していた。しかし、国際陸上競技連盟から課された「義足が(走り幅跳びで)有利に働かないことを証明せよ」という条件を満たすことができていない。2016年のリオに続き、来年の東京でも「オリンピックの参加」は断念しているという。

 12年のロンドンパラリンピック後から使い続けてきた義足を今シーズンから新調。走り幅跳び用に義足メーカーの「オズール」社と共同開発したモデルを使用している。記録の水準は昨シーズンと比較すると劣るが、「(新しいブレード)に適合でき始めている」と話し、さらなるビッグジャンプの予感も漂わせている。

 レームのクラスで8m台の記録を持つ選手は未だにおらず、来年の東京パラリンピックではロンドン大会、リオ大会に次ぐ3連覇が濃厚。東京パラリンピックでの同競技は2020年9月2日夜に実施予定となっている。

「東京パラリンピックに向けて、良いパフォーマンスができるように努力したい」

 そう話し、レームは会場を後にした。

(取材:吉田直人)

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