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パラコラム

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走り続けるアラフィフアスリート「若い選手の刺激になれば」

400mで力走する手塚(撮影:越智貴雄)

400mで力走する手塚(撮影:越智貴雄)

 現在、IPC(国際パラリンピック委員会)主催のパラ陸上グランプリシリーズドバイ大会(20日~23日)がUAEドバイで開催されている。大会には、リオパラリンピック走り幅跳び銀メダリストの山本篤や車椅子トラックで4つの世界記録を持つスイスのマルセル・フグなど、40の国と地域から370名を超えるアスリートが参加。

 その参加者の中に、来月54歳をむかえる日本人最年長出場のアスリートがいる。T42クラス(大腿切断など)に出場する手塚圭太(ヘルスエンジェルス)だ。23歳の時に事故で左足大腿部を切断した手塚は、昔は走るのは嫌いだったというが、49歳の時にスポーツ義足をつけて走ってみたのがきっかけで、足を左右に振り出して走って見たいという思いから陸上を始めた。

ドバイの地で力走するアラフィフアスリートの手塚(撮影:越智貴雄)

ドバイの地で力走するアラフィフアスリートの手塚(撮影:越智貴雄)

 今大会、100m16秒64、200m36秒03、400m1分23秒02と、シーズン初戦としては良い走りを見せた手塚に話を聞いた。

今大会の走りは?

「それぞれ自己新には及ばなかったが、シーズンの初戦としてはとてもいい走りができた。オフシーズンに200m×5本(90秒休憩)の3セットなど、かなりつらくきつい練習を繰り返してきた。それが結果に結びついたと思う」

辛い練習を続けながら走り続ける理由は?

「今年度の目標は、100m、200m、400m全ての出場種目での自己ベスト更新。陸上を始めて4年目になるが、これまで毎年ベスト更新してきた。若い人たちに対してあんなジジイがやっているのに負けてられないよなって思ってもらえれば嬉しい」

 若い選手の刺激になれればという手塚の“自己ベスト更新”への挑戦は続く。

(取材・文:越智貴雄)

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