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パラコラム

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どうなる開会式 韓国と北朝鮮の入場行進なしか 平昌パラリンピック

2014年韓国仁川で行われたアジアパラ競技大会の北朝鮮選手団(越智貴雄)

 国際パラリンピック委員会(IPC)は8日、韓国と北朝鮮両国が9日に開かれる平昌冬季パラリンピックの開会式で別々に行進することを発表した。同委員会公式HPでその発表を公表。全文翻訳を以下に掲載する。

 韓国と北朝鮮両国それぞれの国内パラリンピック委員会は、9日に開かれる平昌冬季パラリンピックの開会式では別々に行進する。国際パラリンピック委員会が8日夜発表した。

 国際パラリンピック委員会は両国に、先月に開催された冬季オリンピックと同じ条件で一緒に行進する案を提案した。しかし、両国のパラリンピック委員会が選手村で友好的かつ前向きな話し合いを行った結果、両国はオリンピックのようには行進しないと決断した。

 アンドリュー・パーソン・パラリンピック委員長は、「残念だが、別々に行進した方が両国にとって良いと両国が判断した決断を尊重する」と述べた。
「国際オリンピック委員会が働きかけ、先月の冬季オリンピックの前に両国間で対話を開くまでに進展した。(冬季では初となる)北朝鮮選手団がパラリンピックに出場すること自体がパラリンピック界においての大きな前進と思う。北朝鮮がこの韓国の地でデビューする事実が大変意義深い」
「本日の議論で、国際パラリンピック委員会のビジョンと使命を、北朝鮮が理解・尊重していることが明確になった。前進し、国際パラリンピック委員会とともに、北朝鮮にいる障がい者の生活向上に努める」
「議論の最後には、両国とも平昌オリンピックへの参加が両国間の関係を改善したとの認識で一致し、今後もさらなる関係改善を目指すとした。このことは、国同士を明るい対話に導くというスポーツの素晴らしい可能性を明らかに示している。」
「開会式の24時間前に決断が下されたことで、政治ではなく、フィールドでプレーするパラリンピック選手のパフォーマンスに集中できるよう期待する」(翻訳:鈴木貫太郎)

  国際パラリンピック委員会の発表は各メディアが報道しているが、前回の2014年のソチパラリンピックでは、大会前にボイコットを示唆していたウクライナ選手団が式の直前に参加を表明。選手の一人が「ひとり行進」した開会式の姿は世界の注目を浴びた。南北の選手団がどのような行進を見せるのか、今晩20時(日本時間同時刻)の平昌オリンピックスタジアムで明らかになる。

(文・上垣喜寛)

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